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ドナーチャイルド

ドナーチャイルドについての新刊 『Donor child - A child of love』

投稿者 Cryos | 5/3/2021
『Donor child - A child of love』−ドナーチャイルドとして生きることについて綴った新しい書籍

Emma Grønbækさんは現在24歳。両親と子どもというよくある家族構成の中で育ちました。ただひとつ他の家庭と違ったのは、ご両親が精子ドナーの助けを借りてEmmaを産んだという点です。今回、Emmaはドナーチャイルドとしての人生と、そのことがご家族に与えた影響についての本を出版しました。Emmaはこの本で、ドナーチャイルドであることを肯定的に伝えるストーリーを届けたいと考えています。 

『Donor child - A child of love』の英語版の出版に際し、Emmaに執筆に至った経緯と、この本で伝えたいことについて尋ねました。

『Donor child - A child of love』はどのような本ですか?

この本には、私の人生、そしてドナーの助けにより生まれたことが私と家族にどのような影響を与えたかについて書かれています。本の前半では、両親が不妊に悩み、あらゆる方法を試み、諦めかけていた時期を振り返っています。それから、私が子どもから大人になる過程で、ドナーチャイルドとしての出自が何らかの影響を及ぼした時期に私が何を思っていたのかについても綴っています。後半では、不妊に関連する様々なトピックについて専門家にお話を伺いました。

本書からの引用

「多くの男性にとって、子どもの生物学的な父親になれないことは受け入れがたく、悲しいことです。精子ドナーを利用することに踏み切れない気持ちは分かります。しかし私は、私たち夫婦が自分たちの子どもを持ち、ともに幸せに暮らすことができるという点が大切だと考えたのです」 - Emmaの父親

本書は誰に向けて書かれたものですか?

すべての人に向けて書かれています。一般の方々にもっと非配偶者間生殖医療について理解してもらい、タブーを打ち破ってほしいです。また、非配偶者間生殖医療はまだ発展途上の新しい分野ですから、不妊治療や生殖医療に携わる方にとっても興味深い内容になっていると思います。そしてもちろん、ドナーの助けによりお子さんを授かったご家族や、不妊治療中の方たちに読んでいただきたいです。

この本を執筆しようと思った動機を教えてください。

この本を書こうと思ったのは、ドナーチルドレンについての肯定的なストーリーが少ないと感じたからです。それに、ドナーチャイルド自身が執筆した本は皆無と言ってもいいでしょう。ドナーチャイルドとして生まれることがどういうことなのか、もっと理解してもらう機会があってもいいのではないでしょうか。 
 
私は、ドナーチルドレンとその親御さん、双方に役立つ本を書きたかったのです。この本が、皆さんが困難を乗り越える一助になればと思います。この本を読めば、出自の重要性が人によって違うこと、また同じ人でも年齢によって変化していくことを理解していただけるでしょう。また、家族が私にどのように真実を告知したかについても読んでいただきたいですね。私自身は真実を知った経緯に満足していますが、残念ながら、そうではない人もいますから。 

『Donor child - A child of love』の著者であるEmma Grønbæk

本書からの引用

「小学校の時、家族について話をして、家系図を描くという授業がありました。6歳だった私は、その授業で自分がどうやって生まれてきたかを話したのです。私は、自分が特別な存在であることを誇りに思っており、ママとパパが私を産むために、会ったことはないけれど素敵な男性から精子をもらったのだと誇らしく話しました」 - Emma Grønbæk

本書の執筆に当たって、デンマークの医師や心理学者の協力も得られていますね。どのような形で関わられたでしょうか?

各分野の専門的な知識を共有していただきました。たとえば心理学者からは、ドナーの助けにより生まれたことが子どもの幸福にどのような影響を与えるかについて教えていただきました。また医師からは、生殖医療がどのように進化してきたかをご説明いただき、カップルセラピストからは、不妊が人間関係にどのような影響を与えるか、またその対処法を教えていただきました。また、妊孕性が低下している理由など、さまざまな問題についてもそれぞれの立場から解説していただきました。

本書からの引用

「自然であることが何よりも素晴らしいという教義は、生殖医療を必要とする人たちにはかえって負担となってしまいます。自然妊娠ができないということは、何かの助けを借りなければ父親や母親になれないということ。そのことを、多くの人が悲しく、そして恥ずかしいことだと感じています」 - Stine Willum Adrian(テクノ人類学教授)

この本でどのような人の力になりたいですか?

非配偶者間生殖医療を受けている方たちが、もっと気持ちを楽にして治療に臨むことができるよう手助けできたらと思います。治療中の孤独感をなくし、自分の決断を疑う気持ちを少しでも和らげることができれば嬉しいです。皆さんが治療によって幸せな家庭を築くお手伝いがしたいですね。

Emmaの著書 『Donor child - A child of love』は、Emmaのウェブサイト(www.donorchildbyemmagroenbaek.com. )で購入できます。