Privateブログドナーチャイルド(Emmaの場合):「私は地球上の誰よりも望まれて生まれた子ども」
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ドナーチャイルド(Emmaの場合):「私は地球上の誰よりも望まれて生まれた子ども」

Emmaはドナーの助けにより生まれました。彼女はいつも、自分が地球上の誰よりも望まれて生まれた子どもだと感じていました。

デンマークに住む22歳のEmmaは、自分がドナーの助けにより生まれたことを幼い頃から認識していました。このインタビューでは、ドナーチャイルドとして育ったことについて彼女がどのように考えているかを語っていただきました。また、自分のドナーが身元非開示でよかったと考える理由や、ドナーチャイルドの親御さんへのアドバイスもお伺いしました。 

ドナーチャイルドとして育ってきたことについては、どのように感じていますか?

自分がドナーから生まれたことは物心がついた頃からわかっていました。家族間でも常にオープンに話し合っていました。

私がまだ赤ちゃんだった頃、両親は「なぜ」「どのように」私がドナーチャイルドになったのかを教えてくれる絵本を作ってくれました。家族や友人の絵や写真がついた私だけのために作られた特別な本でした。その物語を寝る前に読んでもらっていたので、私はいつのまにか状況を理解していたのです。ですから、ドナーチャイルドであることを知った日の記憶というものはありません。私はいつも自分が地球上の誰よりも望まれて生まれた子どもだと感じていました。確かに、嫌なことがあった日に自分以外の存在になりたいと思ったこともありましたが、その気持ちを翌日まで持ち越したことはありません。

時折、ふとした瞬間、たとえば、自分が乳糖不耐症だと分かった時などに、自分がドナーから生まれたことを思い出すこともあります。 

Emmaはドナーの助けにより生まれました。彼女はいつも、自分が地球上の誰よりも望まれて生まれた子どもだと感じていました。

ご両親が別の方法で事実を伝えてくれたならよかったと思われますか?

まったく思いません。私にとってこれ以上の方法はなかったと思います。ただ、うまくいかなかった家族の事例などを耳にしたときなどは特に、自分たちの決断が正しかったのだろうかと両親が考えたこともあったと思います。両親が心を尽くして私のために最良な方法を考えてくれたことはよく伝わっていますし、実際、私にとってまさに最適な方法でした。

ご自身のドナーが匿名であることについては、どのように感じていますか?

私が生まれたときは、デンマークでは匿名(身元非開示)ドナーが唯一の選択肢でしたので、他の選択肢はありませんでした。ただ、私や家族にとってドナーが匿名であることが問題になったことはありません。むしろ安心して暮らすことができました。(身元開示のドナーだったら生じたであろう)多くの疑問や迷いを感じたり、選択をしたりしなくて済んだのですから、単純に楽でしたね。

私は自分がドナーチャイルドであることをずっと認識していましたが、ドナーのことや、同じドナーから生まれた他の子どもたちのことを知りたいと思ったことは一度もありません。彼がドナーになる決断をしてくれたことには感謝していますが、私の人生に関わってもらうことは望んではいませんし、彼も同じように感じてほしいと思っています。ドナーの幸せを願っています!

ドナーチャイルドの親御さんへ何かアドバイスはありますか?

ドナーチャイルドの親御さんには、できるだけ早く、思いやりをもって、そして穏やかに、真実を伝えることをお勧めします。何か悪いことであるかのような印象を与えずに伝えることがとても大切だと思います。そして、子どもは親の気持ちに左右されやすいので、何をどう伝えたいか慎重に考えることが特に大切だと思います。話す時に親が緊張していたり、不安そうにしていたりすると、子どもはその雰囲気を感じ取って疑心暗鬼になってしまうと思います。

私の両親が作ってくれたような本を使って伝えるというのは、安全で素晴らしいアイデアだと思います。子どもは同じ話を繰り返し聞き、徐々に理解し、疑問が浮かべば質問できます。親は「いつどうやって伝えようか」というジレンマに直面することもなく、子どもとの関係に影響もありません。私は自分がドナーチャイルドであることを気にしたことはありませんし、自分の父と母が誰であるか、心から理解しています。

他に何か伝えたいことはありますか?

ドナーチャイルドをこの世界に送り出すことが倫理的に正しいかわからないと考える人に出会ったことがあります。とても残念なことです。私はこれまで素晴らしい人生を送ってきました。専門家による調査結果を見ても、ドナーチャイルドは他の子どもと変わらず健やかな人生を送っています。

私が未来に望むことのひとつは、ドナーによって子どもを授かることがオープンに話される世の中であってほしいということです。もっと堂々と話題にして、先入観を持たず、さまざまな視点で話し合えるようになることを願っています。ネガティブな話だけでなく、私自身の体験も伝えてもらって、もっとバランスのとれた議論につながることが私の願いです。

愛を込めて - Emma Grønbæk

Emmaのインタビュー記事はいかがでしたか?ご興味があればブログ記事も併せてご覧ください。こちらの記事では、どのように子どもにドナーチャイルドであることを伝えるか(真実告知)について、参考にしていただける内容を記載しています。