個人のお客様精子についてクリオスにおける精子提供の歴史

    クリオスにおける精子提供の歴史

    クリオスでの精子提供についてもっと学んで、精子がたどるドナーから受け手までの道について理解されたいでしょうか。このページでは、男性がどうやって、そしてなぜ精子ドナーになるのかということから、ドナー精子がどのように処理されるのか、そして最終的に妊娠に至るのに使われるのかという精子提供のプロセスをご案内します。  


      クリオスでは35年以上の精子提供の歴史があります。この間に様々なことが起こりましたが、なかでも特に新しい家族の構造の発展と認知によって精子提供の重要性が高まりました。こんにちでは、精子提供は妊娠に至るための一助として、世界中の女性やカップルに広く用いられています。 

      精子提供のプロセスがしっかりと記録され、国際品質スタンダードにも従っているため、クリオスのような精子バンクからのドナー精子を利用するのは間違いなく安全な方法です。言い換えるならば、精子ドナー候補のスクリーニングからお客様のクリニックでの不妊治療におけるドナー精子の適切な使用法といった、プロセスの一つ一つの段階で品質を確実なものとするために、私たちは努力しています。精子提供のプロセスのそれぞれの段階についてもっと学びたい方は、先をお読みください。 

      クリオスでの精子提供のプロセスを説明するクリオスの看護師

      精子提供のプロセス 

      クリオスで精子ドナーとして承認されるまでに、私たちがすべての精子ドナー候補をどれだけ徹底的にスクリーニングをするのかを知って、驚かれる方がたくさんいらっしゃいます。精子ドナーになることは誰にでもできることではなく、実は精子ドナーの候補者のうち私たちの精子ドナー要件を満たして最終的に精子ドナーになるのは、すべての精子ドナーのほんの5から10%しかいません。この先ではそれぞれの精子ドナーが実際の精子提供を行う前に体験する、数々のステップについてお読みになれます。 

      ステップ 1: 精子ドナーとしての志願 

      まず精子ドナーの志願者は、志願書類に基本的な情報や連絡先を記入し、それから事前精子サンプルを提出する日を予約します。 

      ステップ 2: 事前精子検査・分析 

      精子ドナー候補が精子バンクの拠点を訪ね、事前の精子サンプルを提出します。この男性の精子が確実に凍結に耐えられ、のちに卵を受精させることができるようにしたいため、これはもちろんとても重要なステップです。精子の質を測るには、私たちは前進運動精子の数(MOT)を見ます。動精子の数およびそれがお客様の不妊治療にどんな意味があるのかについては、こちらをお読みください。 

      ステップ 3: 臨床検査と家族の病歴 

      精子の質が良く、事前の精子ドナー要件を満たすようであれば、そのドナー候補は臨床検査へ進みます。臨床検査の目的は、身体に何の疾患の兆候もないことを確かめると同時に、医療従事者がドナー候補の肌、リンパ腺、血圧、BMIなどを徹底的にチェックすることです。 

      検査の前に、候補は自分と家族の病歴に関する詳細な問診票に回答しなければなりません。その後、身体検査と関連して、問診票が医療従事者との面談の際に話題にされ、深刻な遺伝性の精神的、身体的な疾患がないかどうかをチェックします。HIV、クラミジアなどといった感染症や、嚢胞性線維症やその他の頻発する深刻な遺伝疾患を引き起こすよくある遺伝子変異を検査するため、血液と尿サンプルの提出をお願いしています。そのほかの検査についてもっとお知りになりたい場合には、こちらの精子ドナーのスクリーニングに関するページをお読みください。 

      ステップ4: 心理社会的インタビュー 

      私たちは、精子ドナーが身体的な健康だけではなく、確実に精神的にも健康で、精子提供の意味を理解しているようにしたいと考えています。顧問心理師との心理社会的インタビューを通じて、ドナー候補はその動機、倫理面からの検討 、心の広さ、期待するものなどについて尋ねられます。 

      ステップ 5: 精子ドナープロフィールの選択の質問票 

      スクリーニングの過程で、精子ドナー候補は元開示精子ドナーと身元非開示精子ドナーの違い、そして本プロフィールと詳細プロフィールの違いについて教えられ、どのタイプの精子ドナーになりたいかを決めるように求められます。詳細プロフィールを選んだ場合にはこれまでの体験、好み、性格などに関する質問が記された別の質問票に回答し、子どもの頃の写真、手書きのメッセージ、声の録音データを送る必要があります。身元開示精子ドナーはさらに、 ドナーの助けで妊娠したお子様ががのちに受け取る身元確認に関する情報の開示を許可する別の同意文書にサインします

      ステップ 6: 承認‐精子提供の開始 

      ドナー候補が精子ドナーとしての要件を満たし、すべてのテストとスクリーニングに合格すると、その人は精子ドナーとして承認されます。そしてようやく実際の精子提供を開始し、子どもをもつという誰かの夢を叶えることができます。精子ドナーは少なくとも10回の基準を満たす精子提供を行うことが求められ、これをもって1バッチと呼びます。それぞれのバッチの前後には、精子ドナーは血液検査と尿検査を行い、いかなる感染症にもかかっていないことを確認しなくてはなりません。1バッチが完成した後でこれらの検査の結果が良好であれば、その精子はウェブサイトの精子ドナー検索を通じて購入することができるようになり、精子ドナーは補償を受け取ります。そこで改めて、ドナーは今後も精子提供を続け、次のバッチ分提供するかどうかを決断することになります。 

       

      クリオスでの精子ドナー要件 

      クリオスで精子提供をするためには、候補者は以下の要件を満たさなければなりません。 

      • 18歳から45歳までの間であること 
      • 精子の質が良好であること 
      • 身体的、精神的な健康状態が良好であること 
      • 遺伝に起因する詳細な病歴を提供すること 
      • 定期的に血液および尿サンプルを提出すること 

      精子ドナーになる要件については、こちらでもっとお読みください。



      精子提供からストローに入れて凍結されるまで 

      精子ドナー候補が精子提供を承認されると、およそ10週間の期間中に10回の精子提供が求められます。実際の精子提供はクリオス精子バンクの拠点の一つで行われます。ここには個別のドナーキャビンがあり、精子ドナーはここに入って提供をします。その後、サンプルはスタッフに手渡されると、ただちにラボに持っていかれ、精子の質が徹底的にチェックされ、確実に高品質な精子だけをクリオスから供給するようにします。 

      精子の質が良好な場合、精子はラボでさらに処理され、その後、凍結、保管、融解がしやすい0.5ミリリットル入りのストローと呼ばれるものに入れられます。すべてのドナーストローは精子ドナーの名前あるいは番号と射出番号が明記され、ストローのタイプと精子の質に応じてカテゴリー分けされます。 

      クリオスではIUIとICIいう二種類のドナー精子を提供しています。人工授精ドナー精子は、すでに洗浄され、ご利用のための処理が施されておりますので、ほとんどの不妊治療にご利用いただけます。ICIドナー精子は未処理であり、通常の射出に含まれる自然な液体成分がそのまま含まれています。これは ICI治療(ご自宅でのシリンジ法)に利用するのにはこのままで結構ですが、不妊治療クリニックでのIUI体外受精といった治療にお使いになる場合には、洗浄しなければなりません

      さらに、ドナー精子は精子の質や濃度の表現である、モティリティ(運動精子の数に応じて分けられています。運動精子の数が多ければ多いほど、元気な精子がいるということになります。 

      最後に、ドナー精子はマイナス196度の窒素タンクの中で凍結されつづけ、ドナー精子で妊娠したい決めた誰かに買われるまで安全に保管されます 

      クリオスでの精子提供後の凍結精子ストロー

      発送と精子提供のご利用について 

      ドナー精子のご注文、ドナー精子のストローは当社のタンクから小さな容器あるいはタンクに注意深く移動され輸送の間はその中で精子は凍結され続け、安全に保たれます。運送会社がご注文品をクリニックにお届けし、クリニックは確認して受け取りのサインをしますドナー精子の発送と配送に関しては、こちらでさらにお読みいただけます。 

      不妊治療の時がやってきたら、ドナー精子は室温で融解されます。融解にはおよそ15分から20分かかり、クリニックはその後直ちに、顕微鏡での精子分析を実施し、精子の質が期待に見合ったものであるかを確認することになっています。それが終わると、精子は人工授精や体外受精といった不妊治療にご利用になれます。 

      精子提供の恩恵を受けるのはどんな人ですか 

      クリオスのドナー精子は、様々な理由で世界中の人々に利用されています。クリオスでドナー精子をご注文される女性のおよそ50%が選択的シングルマザーを希望しており、まだぴったりの男性を見つけていないから、あるいはただ自分なりの子育てがしたいという理由で精子提供を選んでいます。 残りのうちの35%はレズビアンのカップル、カップルのうちの女性の一人が遺伝的に子どもとつながりを持つことができるため、彼女たちにとって精子提供は他にはない好機です。 

      そして最後に、不妊は一般的な問題であり、妊娠したいと思っているすべてのカップルのうち、およそ15%が助けを必要としています。様々な要因により、年々不妊に悩む多くのカップルは増えています。異性愛カップルとして不妊に悩んでいる場合には、精子提供を経ての妊娠という選択は母と子の遺伝的な関係を可能にしてくれます。 

      もしお客様が上記のカテゴリーに当てはまり、ドナー精子を使った親になる道のりを歩み始めることを考えていらっしゃるなら、ドナー精子で妊娠する方法 というページに進まれるか、カスタマーケアチームにお問合せください。ご質問に何でもお答えします。

      精子提供によって妊娠した子どもと一緒にいる幸せな母親

      精子ドナーの補償と特典 

      精子提供は生命の贈り物であり、クリオスの多くの精子ドナーを動機づけているのは誰かが親になるのを助けることができるためです。それに加えて、精子ドナーには精子提供に関連して費やす時間と労力に対して金銭的に補償がされます。精子ドナーの補償については法律で管理されており、国ごとに異なります。 

      クリオスの精子提供設備はデンマークにあるため、デンマークの規制に従っており、ドナーに対しては200から500デンマーククローネ(28から67ユーロ)が供与できます。もっとお知りになりたければ、ーの補償と支払いに関する当社のブログ記事をお読みください。

      実際に精子提供の承認を受けた男性たちをご覧になりたいですか。 

      これで、精子ドナーとその精子がいかに徹底的にスクリーニングを受けたうえで、当社のウェブサイトで購入できるように売り出されるのか、イメージが湧いたのではないでしょうか。現在、どんな精子ドナーが購入可能なのかをご覧になりたい場合には、当社の精子ドナー検索をお訪ねください。

      精子ドナーをお使いになる場合の、財政的な側面についてもご関心がおありかもしれません。t精子ドナーをご利用になるコストについては、さらにこちらをお読みください。

      精子提供に関するよくある質問集(FAQ) 

      一回の精子提供でどのくらい支払われるのですか。 

      精子ドナーが一回の精子提供で受け取る補償は200から500デンマーククローネ(28から67ユーロ)です。金額は、運動精子の数やドナープロフィールの選択、提供される精子の量といったいくつかの要素によって決まります。 

      匿名で精子提供をすることはできますか。 

      はい、精子ドナーは匿名で精子を提供することができます。しかしながら、精子ドナーが身元開示ドナーになる決断をした場合には、自分の精子提供によって妊娠した子どもが18歳になったときにクリオスに連絡を取り身元特定する情報を入手することを了承します。一方で、身元非開示精子ドナーは匿名のままでいられます。  

      なぜ男性は精子提供をするのですか。 

      クリオスの精子ドナーは、他の誰かが子どもをもつ夢を叶えるのを助けたいために、精子を提供しています。家族の一員や親しい友人が子どもをもつのに苦労をしている人もいますし、自分自身が親である人もいます。補償はいくらかの余分なお金を稼ぐための機会ではありますが、それが第一義的な理由や提供の動機ではありません。