医療従事者学術研究クリオスの学術研究世界的なパンデミックのなかで精子を保管する男性たち

    世界的なパンデミックのなかで精子を保管する男性たち

    2020年のパンデミックの間、クリオス・インターナショナルでは自分の精子を預けたいと希望する男性が増えているのを実感していました。同時に、男性の妊孕能に対してコロナウィルスが与える影響に大きな関心が集まっていました。このことがCOVID19パンデミックのなかで精子を保管する男性たちの動機に関する調査に結びつきました。研究は、自分の精子を保管したいと預ける男性たちの動機に、パンデミックが何の影響も与えていないことを示しました。


      父親、母親になる平均年齢は、ここ数十年上昇し続けています。高齢になるまで親になるのを延期することは、生殖の結果に害がでることに関連付けられています。例えば、母親の流産割合の上昇、生まれてくる子どもの小児ガンや精神疾患を持つリスクの上昇、そして男性の精液パラメータの減少と精子の遺伝的変異の増加といったものが挙げられます。配偶子の凍結保存は、保護や延期を可能とし、生殖機能の潜在性を一見維持します。例えば男性がガン治療に臨む場合や兵役に参加する場合、パイプカットする場合といった、医療的な事由で利用されています。ソーシャル・フリージングとして知られる医学的な事由のない凍結保存は、近年どんどん人気が出てきています。

      クリオス・インターナショナルで液体窒素に保管されている精子ストロー

      COVID-19パンデミックの間、クリオス・インターナショナルでは、男性が自分の精子を保管したいと希望し殺到する経験をしました。 男性が精子を保管しておきたいと考える動機を調査するため、質問票に基づいた研究が着手されました。 研究の結果では、保管を希望する人たちはおもにガン、性転換といった医療的な事由によって選んでおり、自分の精子を保管する理由にcovid19パンデミックは重要な影響を与えていないとわかりました。

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